所得税の青色申告について

所得税の青色申告についてざっくり説明します。

 

1.所得税の青色申告

  不動産所得事業所得山林所得のある人が一定の帳簿書類備付け、日々の取引を記録し、納税地の所轄税務署長に青色申告の承認申請をし、その承認を受けたときは確定申告書を青色申告書で提出することができます。

  

2.青色申告の要件

 次の要件を満たす必要があります。

 ①税務署長に「所得税の青色申告承認申請書を提出し、承認を受けること。

 ②法定の帳簿書類備付け、取引を記録し、かつ、保存すること。

 ③青色申告書に、次の書類を添付しなければなりません。

  (ア)貸借対照表簡易簿記を採用するときは除きます。

    ※簡易簿記のときは、青色申告特別控除が最高10万円となります。

  (イ)損益計算書

  (ウ)不動産所得の金額、事業所得の金額または山林所得の金額の計算に関

      する明細書

  (エ)純損失の金額に関する明細書  

  

3.申請書の提出期限

 ①原則

青色申告書を提出の承認を受けようとすその年3月15日までに税地の税務署に提出しなければならない。

 ②その年の1月16日以後に新規開業したとき

  その事業開始日から2月以内に提出しなければなりません。  

 ③相続により事業を承継した場合

  (ア)被相続人が白色申告者の場合(その年の1月16日以後に業務を承継した場合)

     業務を承継した日から2か月以内

  (イ)被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の1月1日から8月31日)

     死亡の日から4か月以内

  (ウ)被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の9月1日から10月31日)

     その年12月31日

  (エ)被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の11月1日から12月31日)

     翌年2月15日

 

4.青色申告のメリット

  青色申告には下記のメリットがあります。

 ①最高65万円または最高10万円を限度として青色申告特別控除の適用を受けられます。

 ②青色事業専従者給与原則全額必要経費に算入できる。

   ※白色申告は、配偶者は最高86万円、他の専従者は最高50万円を限度として必要経費となる。

 ③青色申告した年度に生じた純損失を翌年以後3年間の繰越控除できる

   ※白色申告は、変動所得または被災事業用資産の損失のみ繰越控除ができます。

 ④純損失の繰戻還付を受けることができる。 

 ⑤特別償却費を必要経費に算入できる。

  例:経営力向上設備等を取得した場合の特別償却

 ⑥各種所得税額の特別控除

  例:所得拡大税制

 ⑦中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例

 ⑧一括評価の貸倒引当金、返品調整引当金、退職給与引当金を必要経費に算入できる。

 ⑨棚卸資産の評価方法で低価法が認められる。

 ⑩各種準備金の積立額の必要経費に算入できる。

 ⑪前々年分の不動産所得および事業所得の所得金額の合計が300万円以下のときは現金主義により

  所得計算ができる。

 ⑫税務署は原則、帳簿書類の調査に基づかない更正の禁止となります。

 ⑬税務署は、推計による更正または決定の禁止となります。

 

5.青色申告特別控除

 ①最高65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。

   ただし、現金主義を選択している人は、最高10万円の青色申告特別控除となります。

  (ア)事業的規模の不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる。

  (イ)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している。

  (ウ) (イ)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、

     この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出する。

 ②最高10万円の青色申告特別控除

   上記①の要件に該当しない青色申告者が受けられます。 

 

6.事業的規模の不動産所得

 ①原則

  社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか どうかによって、実質的に判断します。

 ②形式基準

   (ア)マンション、アパート等は、貸することのできる独立した部屋数がおおむね10室以上であること。

   (イ)独立家屋の貸付けについては、おおむね棟以上であること。

       (ウ)駐車場のときは、5台分でアパート1室とされているので50台以上であること。  

 

7.青色申告承認申請書の承認

 青色申告承認申請書を提出し、その承認の対象となったその年12月31日まで承認または却下の通知なかったときは、その年12月31日に承認があったものとみなされます。

 ただし、その年11月1日以後新たに事業を開始したときは、翌年2月15日まで承認または却下の通知なかったときは、その翌年2月15日に承認があったものとみなされます。 

 

8.青色申告承認申請書の却下

 次のいずれかに該当する事実があるときは、税務署は申請を却下することができます。

 ①帳簿書類備付け記録保存が帳簿書類の規定に従っていなかったこと。

 ②帳簿書類に取引の全部または一部を隠ぺいしまたは仮装して記載されている、

  その他の事実ではない記載があると認められる相当の理由がある。

 ③青色申告の承認の取り消しの通知を受けた日以後1年以内に申請書を提出したとき。

 ④青色申告の取りやめの届出を提出した日以後1年以内に申請書を提出したとき。 

 

9.青色申告承認申請書の取消し

 青色申告の承認があったときでも、次のいずれかに該当する事実があるときは、税務署は、その事実が該当する年にさかのぼって、青色申告の承認を取り消すことができる

 ①帳簿書類が所定の規定に従って備え付けられていないとき。

 ②帳簿書類について税務署長の必要な指示に従わなかったとき。

 ③帳簿書類に取引の全部または一部を隠ぺいしまたは仮装して記載し、その他の記載事項の全体に

  真実性を疑うに足りる相当の理由があるとき。 

 

10.一定の帳簿書類

 ①帳簿とは

  総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など

 ②書類とは

  棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書など 

 

11.帳簿書類の保存期間

  原則、その年の翌年3月15日の翌日から7年間保存しなければなりません。 

 

  

 上記の内容は、平成29年10月12日時点のものとなります。

各個別的事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

 

佐藤智明税理士事務所 https://www.satoh-tax.com/

税理士・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー

関東経済産業局 認定経営革新等支援機関

 

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