銀行等は、会社にとってビジネスパートナーの1つになります。
銀行から融資を受けるときの方針が金融庁から変わるようにもとめられています。
今後の銀行の融資、事業性評価についてざっくり記載します。
銀行等の借入の評価方法が変わる事業性評価融資
銀行等は、融資について事業性評価という基本方針が金融庁などから求められています。
その事業性評価により融資や助言を行い、会社の成長支援することとなります。
銀行等の融資の事業性評価について記載します。
銀行等の借入の新しい評価方法 事業性評価とは?
金融庁などは銀行等の融資について次の基本指針を取り組みを推奨しています。
「決算書、担保、保証に必要以上に依存することなく、借り手の会社の事業内容、成長可能性などを適切に評価し、融資や助言を行い、会社や産業の成長を支援していくことが求められる。」
この基本指針の『適切に評価』が事業性評価となります。
また、『決算書、担保、保証に必要以上に依存することなく』とありますが、
あくまでも『必要以上に』と言っているので、
まったくしないとは言っておりません。
この基本指針により、
銀行は、決算書、担保主義だけでなく、事業性評価による融資を拡大するように変わっていくと考えられます。
銀行などの金融機関は、会社にとってビジネスパートナーの1つになります。銀行などの金融機関がどういった視点で決算書などを見ているのかを知っておいて損はないです。銀行から借入するときに、銀行は決算書のどこをみて借入を決めているのかをざっくり[…]
銀行等の借入の評価方法|6つの財務情報による事業価値
事業性評価の1つは、次の財務分析により事業価値を判断します。
- 成長性
- 収益性
- 生産性
- 健全性
- 効率性
- 安全性
銀行等の借入の評価方法1|成長性
成長性を売上高増加率で把握します。
(当期売上高÷前期売上高)-1=○○%
銀行等の借入の評価方法2|収益性
収益性を営業利益率で把握します。
営業利益÷売上高=○○%
銀行等の借入の評価方法3|生産性
生産性を労働生産性で把握します。
営業利益÷従業員数=○○○○円
銀行等の借入の評価方法4|健全性
健全性をEBITDA(イービットディーエー)有利子負債倍率で把握します。
{(借入金‐現金預金)÷(営業利益+減価償却費)}=○○倍
銀行等の借入の評価方法5|効率性
効率性を営業(正常・経常)運転資本回転期間で把握しています。
(売上債権+棚卸資産-買入債務)÷平均月商=〇ケ月
銀行等の借入の評価方法6|安全性
安全性を自己資本比率で把握します。
純資産÷総資産=○○%
銀行等の借入の評価方法|4つの数字以外の事業価値
財務分析以外の情報は、つぎの4つの視点から情報を現状と将来の目標を明らかにして、課題と対応策を考えます。
- 経営者
- 事業
- 企業を取り巻く環境と関係者
- 内部管理体制
など
銀行等の借入の評価方法7|経営者のポイント
中小企業の優劣は、経営者に依存していると考えられているため次の項目がポイントになります。
- 経営理念、ビジョン、考え、経営方針など
- 経営者の経営意欲
- 後継者の有無、後継者の育成状況
- 承継のタイミング、関係性など
など
銀行等の借入の評価方法8|事業のポイント
- 企業や事業の沿革
- SWOT分析による強みと弱みの把握
- 事業の商流
- 競合他社との比較
- ビジネスモデル
- ITへの投資、活用状況
- 時間あたりの生産性向上に向けた取り組み
など
銀行等の借入の評価方法9|企業を取り巻く環境と関係者のポイント
- 市場動向、規模、シェアの把握や競合他社との比較
- 顧客リピート率、新規開拓率、主な取引先企業の推移
- 従業員の定着率、勤続年数、平均給与
- 取引金融機関数
など
銀行等の借入の評価方法10|内部管理体制のポイント
- 組織体制、品質管理、情報管理体制
- 事業計画、経営契約の有無
- 社内会議の実施状況
- 研究会開発、商品開発の体制
- 知的財産権の保有と活用状況
- 人材育成の取り組みや仕組み
など
上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。
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