【相続&贈与】事業承継を目的とする非上場株式等の贈与税の特例

事業承継を目的とする非上場株式等の贈与税の特例についてざっくり記載します。

 

1.事業承継を目的とする非上場株式等の贈与税の特例

 会社の事業承継を目的として先代経営者から後継者に非上場株式等を贈与したときに一定の要件を満たすときは、非上場株式に係る贈与税が猶予され、さらに要件を満たすと免除されます。

 

2.事業承継を目的とする非上場株式等の贈与税の特例を受ける流れ

事業承継 非上場株式の贈与税の納税猶予と免除

3.特例承継計画の提出と確認

 2018年4月1日~2023年3月31日までの間に次の事項を記載した特例承継計画を都道府県知事に提出し確認を受けます。

(ア)会社の後継者

(イ)承継までの経営の見通し等

(ウ)認定経営革新等支援機関(税理士など)の所見

 など

 

4.円滑化法の認定

 非上場株式等の贈与税の申告期限までに、「会社」「後継者(贈与を受ける人)」「先代経営者(贈与をする人)」「担保の提供」の要件を満たしていることについて都道府県知事の円滑化法の認定を受ける必要があります。

 なお、円滑化法の認定を受けるには、贈与を受けた年の翌年1月15日までに申請をする必要があります。

 

(ア)会社の主な要件

次のどれにも該当しない会社であること

①上場会社

②中小企業者に該当しない会社

③風俗営業会社

④資産保有型会社

 ※有価証券、自己使用しない不動産、現預金などが総資産の70%以上の会社

⑤資産運用会社

 ※有価証券、自己使用しない不動産、現預金などの運用収入が総収入金額の75%以上の会社

 

(イ)後継者(贈与を受ける人)の主な要件

贈与を受けるときに次の要件を満たしていること

①会社の代表権があること

②20歳以上であること

③役員就任から3年以上経過していること

④後継者と後継者の親族などで総議決権数の50%超の議決権を所有していること

⑤後継者の所有する議決権が以下の㋐または㋑に該当すること

㋐後継者が1人のとき

後継者の親族などの中で一番多く議決権数を所有していること

㋑後継者が2人または3人のとき

総議決権の10%以上を所有し、後継者の親族など(他の後継者を除く)の中で一番多くの議決権を所有していること

 

(ウ)先代経営者(贈与をする人)の主な要件

①会社の代表権が有していたこと

②贈与のときに会社の代表権がないこと

③贈与の直前に、先代経営者と先代経営者の親族などが以下の要件があること

㋐総議決権の50%超を所有していること

㋑後継者を除いた中で一番多くの議決権を所有していること

 

(エ)担保提供の要件

 納税が猶予される贈与税額と利子税に見合う担保を税務署に提供する必要があります。

非上場株式等の贈与の特例の適用を受ける非上場株式等の全てを担保として提供すれば、贈与税額と利子税に見合う担保とされます。

 

5.贈与税の申告期限

 贈与を受けた人は、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までに贈与税の申告書を提出する必要があります。

 

6.贈与税の申告期限の翌日から5年間(特例経営贈与承継期間内)

 贈与税の申告期限の翌日から5年経過日までに次のどれかに該当したときは、猶予されている贈与税額の全部と利子税の両方を納付する必要があります。

(ア)非上場株式等の贈与税の特例の適用を受けた非上場株式等の一部を譲渡したとき

※免除対象贈与を除く

(イ)後継者が代表権がなくなったとき

※障害等級が1級になった等のやむを得ない理由のときは除く

(ウ)会社が資産保有型会社に該当したとき

(エ)会社が資産運用型会社に該当したとき

(オ)毎年、継続届出書を税務署へ提出しなかったとき

 

7.贈与税の申告期限の翌日から5年経過後(特例経営贈与承継期間経過後)

 贈与税の申告期限の翌日から5年経過後に次のどれかに該当したときは、猶予されている贈与税額の全部または一部と利子税の両方を納付する必要があります。

(ア)非上場株式等の贈与税の特例の適用を受けた非上場株式等の一部を譲渡したとき

※免除対象贈与を除く

(イ)会社が資産保有型会社に該当したとき

(ウ)会社が資産運用型会社に該当したとき

(エ)期間経過後3年ごとに、継続届出書を税務署へ提出しなかったとき

 

8.猶予されいている贈与税が免除されるとき

 次のどれかに該当したときは、「免除届出書」と「免除申請書」を提出することにより猶予されている贈与税が免除されます。

(ア)先代経営者(贈与した人)が死亡したとき

(イ)後継者(贈与を受けた人)が死亡したとき

(ウ)特例経営承継期間内に、やむを得ない理由により会社の代表権がなくなったとき

(エ)特例経営承継期間経過後に、免除対象贈与があったとき

(オ)特例経営承継期間経過後に、破産手続開始決定などがあったとき

(カ)特例経営承継期間経過後に、事業継続が困難な一定の事由が生じて会社を譲渡・解散したとき

 

9.先代経営者(贈与した人)が亡くなったとき

 事業承継を目的とする非上場株式等の贈与税の特例を受けていた場合に、先代経営者(贈与した人)が亡くなったときは、非上場株式等の贈与税の特例を受けていた非上場株式等は次のような取り扱いとなります。

(ア)贈与時の価額により、相続などにより取得したものとして他の相続財産と合算して相続税を計算

 する。

(イ)事業承継を目的とする非上場株式等の相続税の特例の要件を満たすときは、非上場株式等の相続

 税の納税猶予と免除の適用がある。

 

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上記の内容は、平成30年5月28日時点のものとなります。

各個別的事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

 

佐藤智明税理士事務所 https://www.satoh-tax.com/

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