法人の消費税の納付が免除されるかの判定順序8ステップ

税理士の佐藤智明です。

法人が消費税を納付が免除されるかどうかは、法人が勝手に決められません。

この記事を読むことによって、法人が消費税の納付が免除されるのかがわかるようになります。

法人の消費税の納付が免除されるかの判定順序についてざっくり解説します。

法人の消費税の納付が免除される判定順序

法人の消費税の納付する必要があるか、免除されるかは判定基準があり、すべての判定基準により消費税の課税事業者に該当しないときは、消費税の納付が免除されることになります。

また、判定基準は①→②→③→④→⑤→⑥→⑦→⑧の順番に判定していくことになります。

  1. 基準期間の課税売上高の判定
  2. 消費税の課税事業者を選択したときの判定
  3. 特定期間課税売上高(給与等)の判定
    ※平成25年1月1日以後に開始した事業年度が対象
  4. 合併があったときの判定
  5. 分割があったときの判定
  6. 基準期間がない法人の判定
  7. 特定新規設立法人の判定
    ※平成26年4月1日以後に設立した法人が対象
  8. 高額特定資産の仕入れ等の判定

消費税の納税義務の判定するときの「基準期間」と「課税売上高」

まずは、法人の消費税の納付する義務があるかの判定をするときの「基準期間」と「課税売上高」をざっくり解説します。

基準期間とは?

法人の消費税の納付する義務があるかの判定をするときの「基準期間」とは、次のとおりになります。

  • 前々事業年度の月数が12か月のとき
    基準期間=前々事業年度(12か月)
  • 前々事業年度の月数が12か月未満のとき
    基準期間=その事業年度開始の2年前の日の前日から1年を経過する日の間に開始した各事業年度

課税売上高とは?

消費税の納付する義務があるかの判定をするときの「課税売上高」とは、次のとおりになります。

  • 8%や10%などの消費税が課税される売上
  • 日本から外国に輸出した輸出売上

法人の消費税の免除の判定①:基準期間の課税売上高の判定

法人の事業年度の「基準期間の課税売上高>1,000万円」のときは、消費税を納付する必要がある課税事業者となります。

「基準期間の売上高」とは、次のとおりになります。

  • 基準期間の月数が12か月のとき
    基準期間中の課税売上高
  • 基準期間の月数が12か月以外のとき
    基準期間中の課税売上高÷基準期間の月数の合計×12

法人の設立事業年度2期目の事業年度は、前々事業年度がないため、この判定基準の適用はありません。

次の②以降により消費税の納付の判定をしていきます。

法人の消費税の免除の判定②:消費税の課税事業者を選択したとき

法人のうち消費税の免除の判定基準の①により消費税が免除されるときに、次の日までに税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出したときは、消費税を納付する必要がある課税事業者となります。

  • 設立事業年度のとき
    設立事業年度の末日まで
  • 設立事業年度以外のとき
    その事業年度開始日の前日まで

課税事業者選択届出書を提出したときは、事業を廃止以外の次の期間内は、課税事業者の選択をやめることができません。

  • 原則 課税事業者となった日から2年間
  • 例外
    1. 課税事業者となった1期目の間調整対象固定資産を購入したとき
      課税事業者となった日から3年間
    2. 課税事業者となった2期目の間調整対象固定資産を購入したとき
      課税事業者となった日から4年間

      ※①または②のときは、調整対象固定資産を購入した期と翌期は簡易課税選択届出書を提出することはできません

また、課税事業者の選択をやめるときは「課税事業者選択不適用届出書」を課税事業者の選択をやめようとする課税期間の初日の前日までに税務署に提出する必要があります。

調整対象固定資産とは?

調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、税抜き100万円以上の次の資産になります。

  • 建物、構築物
  • 機械及び装置
  • 船舶、航空機、車両及び運搬具
  • 工具、器具及び備品
  • 鉱業権その他の資産

法人の消費税の免除の判定③:特定期間の課税売上高(給与等)判定

法人が消費税の免除の判定基準の①と②により消費税が免除されるときに、特定期間内(原則、事業年度の開始日~6か月の期間)「課税売上高」または「給与等支払額」のうち法人がどちらか選んだ方の合計額が1,000万円えたときは、その事業年度は消費税を納付する必要がある納税義務者となります。

ただし、事業年度が決算期の変更をしないで7カ月以下だったときは、この特定課税期間の判定をする必要はありません。

法人の消費税の免除の判定④:合併があったときの判定

法人が消費税の免除の判定基準の①~③により消費税が免除されるときに、吸収合併や新設合併があり、一定の条件に該当するときは、その事業年度は消費税を納付する必要がある納税義務者となります。

法人の消費税の免除の判定⑤:分割があったときの判定

法人が消費税の免除の判定基準の①~④により消費税が免除されるときに、分割があり、一定の条件に該当したときは、その事業年度の消費税を納付する必要がある課税事業者となります。

法人の消費税の免除の判定⑥:基準期間がない法人の判定

法人が消費税の免除の判定基準の①~⑤により消費税が免除されるときに、次に両方に該当したときは、その事業年度の消費税を納付する必要がある課税事業者になります。

  • その事業年度の基準期間がない
    ※法人の設立事業年度や2期目の事業年度
  • その事業年度の開始日資本金額(または出資金額)が1,000万円以上

法人の消費税の免除の判定⑦:特定新規設立法人の判定

法人が消費税の免除の判定基準の①~⑥により消費税が免除されるときに、平成26年4月1日以後に設立した法人のうち、次のすべてに該当するときは、消費税を納付する必要がある課税事業者となります。

  1. その事業年度の基準期間がない
    ※法人の設立事業年度や2期目の事業年度
  2. その事業年度開始日の資本金の額(または出資の金額)が1,000万円未満
  3. その基準期間がない事業年度開始の日に、他の者から法人の株式等の50%超を直接または間接に保有されている(=特定要件)
  4. ③の特定要件の判定の対象となった他の者および他の者が100%支配する法人(=特殊関係法人)のうち、他の者特殊関係法人のうち、どちらかの新規設立法人の事業年度の基準期間に相当する期間(=基準期間相当期間)の課税売上高が5億円えている

他の者とは?

他の者とは、新規設立法人の直接株主である個人と法人のことをいいます。

また、他の者が個人であるときは、その個人の六親等の親族や内縁関係者などの特殊関係者も「他の者」に含めて5億円超の判定をします。

しかし、別生計の他の者が100%支配する法人は5億円超の判定から除外されます。

法人の消費税の免除の判定⑧:高額特定資産の仕入れ等の判定

法人が消費税の免除の判定基準の①~⑦により消費税が免除されるときに、平成28年4月1日以後に、次に該当したときは、消費税を納付する必要がある課税事業者になります。

また、簡易課税の適用を受けることもできません。

  • 高額特定資産を購入したときに、原則の課税事業者であったとき(免税事業者や簡易課税の適用を受けていない課税期間)
  • 高額特定資産の購入した課税期間の初日以後3年を経過する日の課税期間までの各期間

高額特定資産とは?

高額特定資産とは、次のどちらかの資産で、一の取引単位で、税抜きで1,000万円以上するものをいいます。

  • 棚卸資産
  • 調整対象固定資産

まとめ

今回は、法人の消費税の免除の判定順序についてざっくり解説しました。

  1. 基準期間(前々事業年度)の課税売上高の判定
  2. 消費税の課税事業者を選択したとき
  3. 特定期間の課税売上高(給与等)の判定
    ※平成25年1月1日以後に開始した事業年度が対象
  4. 合併があったときの法人の判定
  5. 分割があったときの法人の判定
  6. 基準期間(前々事業年度)がない法人の判定
  7. 特定新規設立法人の判定
    ※平成26年4月1日以後に設立した法人が対象
  8. 高額特定資産の仕入れ等の判定

上記の全部において納税義務がないと判定されて、消費税の納税する免除される免税事業者となります。

上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

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