税金を滞納したときに支払延滞税などについてざっくり理解できる
税金を滞納すると8900倍も損する
税金を支払い期限までに支払わない(=つまり、滞納)と罰金が取られ、滞納より8900倍の損をする場合もあります。
税金を滞納したときの延滞税
所得税、法人税、消費税、贈与税、相続税などの支払期限までに税金を支払わなかったときは、次の延滞税を支払うことになります。
- 支払期限の翌日から2ヶ月以内
年2.6% ※2019年1月1日~12月31日 - 支払期限の翌日から2ヶ月の翌日以降
年8.9% ※2019年1月1日~12月31日
この利率だけ見ても、高いのか安いのかわかりにくいですね。
数字だけ見ると、消費税10%よりちょっと低いくらいかなと感じる人もいるかもしれません。
滞納しているお金を普通預金に預けていたと仮定すると2019年現在、メガバンクなどの普通預金の金利は「年0.001%」
もう一度書きます。「年0.001%」です。
- 支払期限の翌日から2ヶ月以内だと、年2.6%÷年0.001%=2600倍
- 支払期限の翌日から2ヶ月の翌日以降だと、年8.9%÷年0.001%=8900倍
なので、1日延び、1週間延び、1ヵ月延びという状態が3年経ってしまうと、どうなるのか?
損しかないですね。また、この延滞税を支払ったとしても経費にはなりません。
延滞税の割合
延滞税の割合は、平成26年1月1日以後は次のように決められています。
- 支払期限の翌日から2ヶ月以内は、次のどちらか低い割合になります。
- 年7.3%
- 特例基準割合+1%
※特例基準割合とは「前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除した割合に年1%の割合を加算した割合」
- 支払期限の翌日から2ヶ月の翌日以降は、次のどちらか低い割合になります。
- 年14.6%
- 特例基準割合+7.3%
源泉所得税を滞納したときの不納付加算税
給与等から天引きされた源泉所得税などを支払い期限までに支払わないときは、不納付加算税を次の区分により支払うことになります。
- 原則
10% - 次のようなときは「5%」
- 税務調査の事前通知後で税務調査前日までに自主的に支払ったとき
- 税務署から電話連絡などでの指摘で自主的に支払ったとき
また、この延滞税を支払ったとしても経費にはなりません。
しかし、次のどちらにも該当するときは、不納付加算税は免除されることになります。
- 支払期限から1ヶ月以内に源泉所得税を支払っている
- 支払期限の前月末日から1年前までの間は支払期限までに自主的に納付している
個人の確定申告で所得税を自主的に延納したときの利子税
個人事業者などが所得税の確定申告をしたときに、3月15日(振替納税の方は振替納税日)までに本来支払べき所得税等の半分以上を支払ったときに、その残りの所得税等を5月31日まで支払期限を延長することもできます。
※確定申告書に記載が必要です。
その支払期限を延長している期間は、年1.6%の割合で利子税の支払が必要となります。
※2019年の確定申告時
延滞税よりは低いですが、2019年現在、メガバンクなどの普通預金の金利は「年0.001%」に比べると「年1.6%÷年0.001%=1600倍」
延滞するよりはいいですが極力避けたいです。
この利子税は、延滞税や加算税とは異なり、事業所得など必要経費にすることができる
印紙を貼り忘れたときの過怠税(かたいぜい)
印紙税を文書の作成したときまでに貼り忘れたときは、つぎのような過怠税(かたいぜい)という罰金を支払うことになります。
- 印紙を貼り付けていなかったとき
本来、貼り付けるべき印紙税+その印紙税の2倍(合計3倍) - 印紙は貼り付けたが、印紙に消印を忘れたとき
消印を忘れた印紙の金額 - 税務調査の事前通知後で税務調査前日までに支払ったときなど
貼り付け忘れた印紙税とその印紙税の10%(合計1.1倍)
また、この過怠税を支払ったとしても経費にはなりません。
まとめ
税金を滞納するときは罰金が取られます。
- 税金を滞納したときの延滞税
- 源泉所得税を滞納したときの不納付加算税
- 所得税の確定申告の利子税
- 印紙を貼り忘れたときなどの過怠税
2019年現在の普通預金の金利と比較すると8900倍など大損することになり、
利子税以外は経費にもなりません。
資金繰りなどに気をつけながら、期限までに支払う準備をしておきましょう。
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