2019年4月1日
教育資金一括贈与の贈与税の非課税の見直しがされます。
教育資金一括贈与の贈与税の非課税の見直しについてざっくり記載します。
2020年12月14日 令和3年度税制改正大綱について追記
教育資金一括贈与の贈与税の非課税の見直し
2019年4月1日以降、祖父母、父母などからの教育資金一括贈与の贈与税の非課税が見直しがされます。
見直し前と見直し後について記載します。
2019年3月31日までの教育資金の一括贈与の贈与税の非課税
平成25年4月1日~平成31(2019)年3月31日までに、祖父母、父母などの直系尊属から教育資金にするため、金融機関等との契約をして、金銭、有価証券、信託などの贈与をしたときは、1,500万円または500万円までの金銭等は、贈与税が非課税となります。
2019年3月31日までに祖父母や父母などの直系尊属から教育資金の一括贈与で貰ったときの贈与税の非課税についてざっくり説明します。祖父母、父母からの教育資金を一括で貰ったときの贈与の非課税平成25年4月1日~平成31年3月31日[…]
2019年4月1日以降の教育資金の一括贈与の贈与税の非課税
2019年4月1日以後、祖父母や父母などからの教育資金の一括贈与の非課税は、期限が2年間(~2021年3月31日まで)延長され、次のような見直しがされることになります。
- 2019年4月1日以後に見直しがされるもの
- 貰う人の所得制限
- 教育資金管理契約の終了日までに贈与した人が亡くなったとき
- 2019年7月1日以後に見直しがされるもの
- 教育資金の範囲
貰う人の所得制限の見直し
2019年4月1日以後に、祖父母、父母などから教育資金一括贈与により金銭などをもらったときは、一括贈与で貰った日の前年の貰った人の合計所得金額が1千万円を超えるときは、教育資金の一括贈与の贈与税の非課税を受けることができなくなりました。
教育資金管理契約の終了日までに贈与した人が亡くなったときの見直し
2019年4月1日以後に、教育資金一括贈与をした金銭等のうち、つぎの要件の全部にあてはまるときは、教育資金の一括贈与によりもらった金銭等で使っていないものは、相続、遺贈の対象となります。
- 2019年4月1日以後に教育資金の一括贈与があった
- 2019年4月1日以後に贈与した祖父母、父母などが亡くなった
- 贈与した人が亡くなったときに、貰った子や孫が23歳以上になったとき
- 贈与した人が亡くなったときに、貰った子や孫が学校等在籍していないとき
- 亡くなった日以前3年以内に、教育資金の一括贈与をしていた
- 亡くなった日に、教育資金の一括贈与で貰った金銭等が残っている
教育資金の範囲の見直し
2019年7月1日から、貰った人が23歳になった翌日以後に支払う教育資金の範囲について、次のものは除外されることになります。
ただし、教育訓練給付金の支給対象となる受講料は除外されません。
- 学校等以外に支払われる教育に関するサービスの対価
- スポーツ芸術に関する活動等にかかる指導の対価
- 上記のサービス、指導に係る物品の購入費や施設の利用料など
たとえば、
学習塾等の月謝等、スポーツ、ピアノ、絵画等の指導料、
上記で使用する物品の購入費用や施設の利用料
など
見直し前?見直し後?
見直し後は、要件が厳しくなり、範囲が縮小されたり、相続税の対象となる可能性ができたりと見直し前に比べると厳しくなっています。
相続税の課税価格に加算されない贈与財産の範囲
以下の財産は、被相続人(亡くなった人)から生前に贈与を受けていたときでも
相続税の課税価格に加算されません。
- 夫婦間で居住用不動産等を贈与したときの配偶者控除の適用を受けた金額
- 父母等の直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用を受けた金額
- 父母等の直系尊属から一括贈与を受けた教育資金の非課税の適用を受けた金額
- 父母等の直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金の非課税の適用を受けた金額
令和3年度税制改正大綱|今後の変更予定
令和3年度税制改正大綱により、次の変更が予定されています。
2021(令和3)年4月1日以降に、信託等により取得する信託受益権等の父母等から教育資金を一括贈与されたとき贈与税の非課税に、次の変更が予定されています。
- 適用期限を2年間延長する。→2023年3月31日まで延長
- 信託等の日から教育資金管理契約の終了日までに贈与した人が亡くなったときは、亡くなった日までの年数に関係なく、管理残額を貰った人が相続等で取得したものをされる。 ただし、貰った人が次のどれかに該当するときは除かれる。
- 23歳未満
- 学校等に在学している
- 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している
- 上記により、相続等で取得したものとみなされる管理残額が、贈与した人の子以外の孫などの直系卑属であり相続税があるときは、管理残額に対応する相続税に2割加算をする
- 教育資金の範囲に、1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設のうち、都道府県等から一定の基準を満たす旨の証明書の交付を受けたものに支払われる保育料が追加される
上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。
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