地方に本社機能を移転拡充したときの雇用促進税制90万円税額控除

地方に本社機能を移転・拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除

地方に本社機能を移転拡充をしたときに、一定の要件に該当するときは、雇用促進税制の1人当たり最大90万円の税額控除が受けられる制度です。

雇用促進税制には、「拡充型事業」と「移転型事業」があり、つぎのように区分されます。

  • 拡充型事業
    • 地方で本社機能を地方で拡充する
    • 東京23区以外から地方に本社機能を移転する
    • 地方で新しく企業するために本社を整備する
  • 移転型事業
    • 東京23区から地方に本社機能を移転する
      • 東京23区にある本社を地方に移転する
      • 東京23区にある本社の一部を地方に移転する
      • 東京23区の本社から研究開発機能を地方に主力生産工場に研究所を建設し移転する

雇用促進税制の本社機能とは?

地方に本社機能を移転拡充をしたときの本社機能とは、次のどれかに該当するものです。

登記簿上の「本店」であるという形式的判断ではなく、実際に本社機能を有している業務施設をいい、特定業務施設とも呼ばれています。

  • 事務所のうち、次のどれかのために使用されるもの
    • 調査及び企画部門
    • 情報処理部門
    • 研究開発部門
    • 国際事業部門
    • その他管理業務部門
  • 研究所のうち、研究開発において重要な役割を担うもの
  • 研修所のうち、人材育成において重要な役割を担うもの

業種には制約はありませんが、工場や店舗は対象外となります。

雇用促進税制の税額控除の要件①:対象法人

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の適用を受けられる法人または個人事業者の要件は、次のとおりです。

  • 青色申告書を提出すること
  • 令和2年3月31日までに地域再生法に基づき都道府県知事が認定する「地方活力向上地域特定業務施設整備計画(拡充型事業の計画または移転型事業の計画)」の認定を受けていること
  • 次の両方の期間に事業者都合による離職者がいないこと
    • 適用年度
    • 適用年度開始日の前1年以内に開始した各事業年度
  • 適用年度に、本社機能の雇用者を2人以上(有期雇用またはパートタイムの新規雇用者以外)増加させていること
  • 給与等支給額≧前期の給与等支給額+(前期の給与等支給額×基準雇用者割合)×20%
    • 給与等からは次のものを除きます
      • 退職金
      • 法人の役員
      • 役員の特殊関係者(役員の親族など)
    • 基準雇用者割合=適用年度の雇用者増加数/前事業年度末日の雇用者数
  • キャバレー、ナイトクラブ、麻雀店、パチンコ店など風俗営業および性風俗関連特殊営業を営む事業主ではないこと

雇用促進税制の税額控除の要件②:整備計画の認定

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の適用を受けるためには、2020(令和2)年3月31日までに移転・拡充先となる都道府県知事の認定が必要となります。

雇用促進税制の税額控除の要件③:雇用促進計画

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の適用を受けるためには、雇用促進計画をハローワークに提出し、雇用促進計画の達成状況の確認をハローワークしてもらう必要があります。

  • 雇用促進計画の提出は、次の期間のまでにする必要があります
    • 適用年度開始後の2か月以内
    • 整備計画認定後の2か月以内
  • 雇用促進計画の達成状況の確認は、適用年度終了後2か月以内にする必要があります

雇用促進税制の税額控除の要件④:雇用者

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の対象の雇用者は、次のようになります。

  • 雇用保険の一般被保険者
  • 拡充型のときは、次の人
    • 新規雇用
    • 転勤者
  • 移転型のときは、次の人
    • 新規雇用
    • 転勤者
    • 東京からの移転者

ただし、次に該当する人は対象外になります。

  • 役員の親族
  • 役員の内縁関係にある人(役員と婚姻の届出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある人)
  • 上記以外の役員から生活の支援を受けている人
  • 役員の親族または内縁関係にある人と生活を一緒にする親族
  • 高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者

雇用促進税制の税額控除の要件⑤:対象期間

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の対象期間は、次のようになります。

  • 地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(拡充型計画又は移転型計画)の認定日の翌日以後2年を経過する日までの期間内の日を含む事業年度

ただし、次のどれかに該当するときは適用できません。

  • 設立(合併、分割、現物出資の設立を除く)の日を含む事業年度
  • 解散(合併の解散を除く)の日を含む事業年度
  • 清算中の各事業年度

雇用促進税制の税額控除の要件⑥:確定申告書の提出

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制の税額控除の適用を受けるには、確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書等に添付し税務署に申告する必要があります。

【拡充型】の雇用促進税制の税額控除額

地方で本社機能を拡充する事業の拡大型事業の雇用促進税制の税額控除は、次のとおりになります。

 

雇用者増加率が8%未満のときの拡充型の税額控除額

雇用者増加率が8%以上のときの拡充型の税額控除額

無期雇用かつフルタイムの要件を満たす新規雇用者1人あたり30万円

1人あたり60万円

新規雇用者のうち無期雇用でない人やフルタイムでない人
※新規雇用者数の4割が上限
1人あたり20万円1人あたり50万円
本社機能の雇用者増加数から新規雇用者数を控除した人数
※雇用保険一般被保険者で法人全体(または個人事業主全体)の雇用者増加数が上限
1人あたり20万円1人あたり50万円

【移転型】の雇用促進税制の税額控除額

地方で本社機能を拡充する事業の移転型事業の雇用促進税制の税額控除は、ベース部分と上乗せ部分の次のとおりになります。

「移転型の上乗せ部分」は、30万円の税制控除が最大3年間継続して受けられます。

ただし、地方事業所の雇用者数または法人全体(または個人事業主全体)の雇用者数が減少したときは、それ以降不適用となります。

移転型のベース部分

 

雇用者増加率が5%未満のときの移転型の税額控除額

雇用者増加率が5%以上のときの移転型の税額控除額

無期雇用かつフルタイムの要件を満たす新規雇用者1人あたり30万円

1人あたり60万円

新規雇用者のうち無期雇用でない人やフルタイムでない人
※新規雇用者数の4割が上限
1人あたり20万円1人あたり50万円
本社機能の雇用者増加数から新規雇用者数を控除した人数
※雇用保険一般被保険者で法人全体(または個人事業主全体)の雇用者増加数が上限
1人あたり20万円1人あたり50万円

移転型の上乗せ部分

 移転型の上乗せ部分の税額控除額
移転先が中部圏、近畿圏の中心部のとき1人あたり20万円
移転先が上記以外のとき1人あたり30万円

雇用促進税制の 1人あたりの税額控除額の具体例

地方で本社機能を移転拡充する事業の雇用促進税制の1人あたりの税額控除は、次のとおりになります。

「移転型の上乗せ部分」は、30万円の税制控除が最大3年間継続して受けられます。

ただし、地方事業所の雇用者数または法人全体(または個人事業主全体)の雇用者数が減少したときは、それ以降不適用となります。

 1年目2年目3年目3年間の合計
ベース部分1人あたり
最大60万円
1人あたり
最大60万円
移転型の上乗せ部分1人あたり
最大30万円
1人あたり
最大30万円
1人あたり
最大30万円

1人あたり
最大90万円

年合計1人あたり
最大90万円
1人あたり
最大30万円
1人あたり
最大30万円
1人あたり
最大150万円

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)との関係

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制(税額控除)とのオフィス減税の税額控除とは、次のようになります。

  • オフィス減税の税額控除」と「雇用促進税制の移転型の上乗せ部分」と両方を合わせて法人税の20%までが限度となる
  • 同一事業年度で「オフィス減税」と「移転型の上乗せ部分以外の雇用促進税制とのダブル適用はできません

その他の特別償却と税額控除

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)以外の特別償却または税額控除は、おもに次のようなものがあります。

上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

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