地方に本社機能を移転・拡充したときの25%特別償却と7%税額控除

地方創生に関する施策の一環として、地域再生法に基づく「地方拠点強化税制」が創設されました。

本社機能の移転や拡充すると特別償却と税額控除を受けることができます。

今回は、この本社機能の移転や拡充すると特別償却と税額控除についてざっくり解説します。

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)

地方に本社機能を移転拡充をしたときに、一定の要件に該当するときは、オフィス減税の特別償却や税額控除を受けられる制度です。

オフィス減税の特別償却や税額控除には、「拡充型事業」と「移転型事業」があり、つぎのように区分されます。

  • 拡充型事業
    • 地方で本社機能を地方で拡充する
    • 東京23区以外から地方に本社機能を移転する
    • 地方で新しく企業するために本社を整備する
  • 移転型事業
    • 東京23区から地方に本社機能を移転する
      • 東京23区にある本社を地方に移転する
      • 東京23区にある本社の一部を地方に移転する
      • 東京23区の本社から研究開発機能を地方に主力生産工場に研究所を建設し移転する

オフィス減税(特別償却と税額控除)の本社機能とは?

地方に本社機能を移転拡充をしたときの本社機能とは、次のどれかに該当するものです。

登記簿上の「本店」であるという形式的判断ではなく、実際に本社機能を有している業務施設をいい、特定業務施設とも呼ばれています。

  • 事務所のうち、次のどれかのために使用されるもの
    • 調査及び企画部門
    • 情報処理部門
    • 研究開発部門
    • 国際事業部門
    • その他管理業務部門
  • 研究所のうち、研究開発において重要な役割を担うもの
  • 研修所のうち、人材育成において重要な役割を担うもの

業種には制約はありませんが、工場や店舗は対象外となります。

オフィス減税(特別償却と税額控除)の要件①:整備計画の認定

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)の適用を受けるためには、次の時期までに移転または拡充先の都道府県知事から整備計画の認定を受ける必要があります。

  • 移転または拡充先の都道府県知事から整備計画の認定を受ける時期
    • 新設、増設のときは、建物の着工までに認定を受ける
    • 賃貸のときは、賃貸借契約締結までに認定を受ける

オフィス減税(特別償却と税額控除)の要件②:確定申告書の提出

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)の適用を受けるためには、本社機能を有する建物等の整備の使用を開始した年度の申告期限までに確定申告書を提出する必要があります。

オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象となる法人・個人事業者

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)の適用を受けられる法人または個人事業者の要件は、次のとおりです。

オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象資産

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)の対象となる資産の要件は、次のとおりになります。

  • 本社機能の建物、建物付属設備、構築物
    ※建物の附属設備は、その建物とともに取得または建設をするときの建物附属設備に限られます
  • 整備計画の認定日の翌日以後2年以内を経過日までに取得し、事業に使用を開始すること
  • 新設、増設、購入、賃借、既存施設の用途変更のいずれかによって本社機能を整備するもの
  • 取得価額は、「中小企業者」と「中小企業者以外」の区分され、次のようになります。
    • 中小企業者
      • 1,000万円以上
    • 中小企業者以外
      • 2,000万円以上

次のようなときは、オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象となりません。

  • 同一建物内に本社機能以外の工場や店舗などがあるときのその本社機能以外の設備投資の金額
  • 親会社が取得した本社機能に子会社が入居し、事業の用に使用したとき

オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象期間

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)の対象年度は、2020(令和2)年3月31日までに移転・拡充先となる都道府県知事の認定が必要となります。

オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象とならない地域

オフィス減税(特別償却と税額控除)の対象とならない地域は、次のとおりです。

  • 首都圏、中部圏、近畿圏中心部の大都市等
  全域一部区域
首都圏東京都特別区、八王子市、立川市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、武蔵野市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、東久留米市、清瀬市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町 
埼玉県さいたま市、川越市、川口市、行田市、所沢市、加須市、東松山市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市、伊奈町、三芳町、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、川島町、吉見町、鳩山町、宮代町、杉戸町、松伏町熊谷市、飯能市
千葉県千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、佐倉市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、浦安市、四街道市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町木更津市、成田市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市
神奈川県横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、開成町、愛川町相模原市
茨城県龍ケ崎市、取手市、牛久市、守谷市、坂東市、つくばみらい市、五霞町、境町、利根町常総市
中部圏愛知県 名古屋市
近畿圏京都府 京都市
大阪府 堺市、守口市、東大阪市
兵庫県 神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市

詳しくは、「立地.net」をご覧ください。

【移転型事業】東京23区から本社機能を地方に移転する事業の特別償却

東京23区から本社機能を地方に移転する事業の移転型事業の特別償却は、次のとおりになります。

  • 特別償却=取得価額×25%

【移転型事業】東京23区から本社機能を地方に移転する事業の税額控除

東京23区から本社機能を地方に移転する事業の移転型事業の税額控除は、次のとおりになります。

  • 税額控除=取得価額×7%

ただし、

「オフィス減税の税額控除」と「雇用促進税制の移転型事業の上乗せ部分」の両方を合わせて法人税の20%までが限度となります。

【拡充型事業】地方で本社機能を拡充する事業の特別償却

地方で本社機能を拡充する事業の拡大型事業の特別償却は、次のとおりになります。

  • 特別償却=取得価額×15%

【拡充型事業】地方で本社機能を拡充する事業の税額控除

地方で本社機能を拡充する事業の拡大型事業の税額控除は、次のとおりになります。

  • 税額控除=取得価額×4%

ただし、

「オフィス減税の税額控除」と「雇用促進税制の移転型事業の上乗せ部分」の両方を合わせて法人税の20%までが限度となります。

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制(税額控除)との関係

地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制(税額控除)とのオフィス減税の税額控除とは、次のようになります。

  • 「オフィス減税の税額控除」と「雇用促進税制の移転型の上乗せ部分と両方を合わせて法人税の20%までが限度となる
  • 同一事業年度で「オフィス減税」と「移転型の上乗せ部分以外の雇用促進税制とのダブル適用はできません

その他の特別償却と税額控除

地方に本社機能を移転拡充をしたときのオフィス減税(特別償却と税額控除)以外の特別償却または税額控除は、おもに次のようなものがあります。

上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

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