住宅ローン控除の条件を確認するときのチェックリスト12項目

自宅を購入、新築、増改築等をしたときの住宅ローン控除(借入金等特別控除)についてざっくり記載します。

2019年6月28日 消費税の増税について追記

2020年12月11日 令和3年度税制改正大綱について追記

住宅ローン控除|住宅借入金等特別控除

一定の住宅ローン等を利用して一定の住宅を取得・新築・増改築等をし、

かつ、一定の期間までにその住宅を所得税の納税者の居住用としたときは、

一定の期間において各年の所得税額から一定額を控除することができます。

住宅ローン控除の控除できる期間

住宅ローン控除の控除できる期間は、原則、10年間で、各年の所得税から控除することができます。

ただし、

消費税が10%になったときに一定の条件を満たすときは、3年間延長され13年間になります。

住宅ローン控除の対象となる人

住宅ローン控除の対象となる人は次のとおりです。

  • 住宅借入金等の年末残高があること。
  • 住宅の取得後、6ヵ月以内に居住していること。
  • 控除を受ける各年の12月31日まで住んでいること。
  • 控除を受ける各年の合計所得金額が3千万円以下であること。
  • 初年度に確定申告をし、住宅借入金等特別控除の適用を受けていること。
  • 配偶者および一定の親族からの住宅の購入ではないこと。
  • 平成28年12月31日以前の住宅の取得等のときは、居住者であること。

住宅ローン控除の対象となる住宅

住宅ローン控除の対象となる住宅は次のとおりです。

  1. 本人の居住するための家屋であること。
    ※2以上あるときは、主たる1つの家屋のみになります。
  2. 新築住宅のときは以下の要件に該当すること。
    • 床面積が50㎡以上であること。
      ※マンションは専有部分の床面積で判断します。
    • 床面積の1/2以上が専ら居住用であること。
  3. 中古住宅のときは以下の要件に該当すること。
    • 床面積が50㎡以上であること。
      ※マンションは専有部分の床面積で判断します。
    • 床面積の1/2以上が専ら居住用であること。
    • 耐震基準または取得日以前20年(耐火建築物25年)以内に建築されたものであること。
    • 居住日までに申請をし、かつ、耐震基準に適合するもの。
  4. 増改築等のときは以下の要件に該当すること。
    • 工事費が100万円超であること。
    • 居住部分の工事費が全体の工事費の1/2以上であること。
    • 増改築等後の家屋の床面積の1/2以上が専ら居住用であること。
    • 増改築等後の床面積が50㎡以上であるもの。
       ※マンションは専有部分の床面積で判断します。
    • 戸建て住宅またはマンション等の一定の増改築要件に該当すること。

住宅ローン控除の対象となる住宅ローン等

住宅ローン控除の対象となる住宅ローン等は次のとおりです。

  1. 居住用住宅の新築、取得、増改築等の借入金または債務であること。
  2. 家屋および家屋とともに取得するその敷地(借地権を含む)の取得のための借入金であること。
    ※家屋の取得するための借入がなく、土地の取得のみに借入をしたときは対象となりません。
    ※利息部分は対象とはなりません。
  3. 返済期間が10年以上で、分割して返済することとなっていること。
  4. 主に以下のところからの借入金が該当します。
    • 銀行等の金融機関
    • 独立行政法人住宅金融機関支援機構
    • 独立行政法人都市再生機構
    • 地方住宅供給公社
    • 勤務先
      ※無利子、0.2%(平成28年以前に居住しているときは1%)未満は対象となりません。
    • 建設業者
      など
  5. 親族、知人などからの借入金は対象となりません。

住宅の消費税が10%になったときの住宅ローン控除

2019年10月1日以降に住宅を購入等したときに、上記の対象となるときに追加して次に該当したときは、11年目~13年目に一定の金額の控除を受けられます。

  • 住宅を消費税10%で購入したこと
  • 2019年10月1日~2020年12月31日までに住み始めること
    ※令和3年税制大綱により延長予定:
     2021(令和3)年1月1日~2022(令和4)年12月31日までに住み始めること
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住宅ローン控除と一緒に適用が受けられるもの

居住用財産の譲渡所得の特例を受け、
住宅ローン控除の適用ができないとき

取得した住宅の居住した前々年、前年、居住年、翌年、翌々年に次の譲渡所得の特例の適用を受けているときは、住宅ローン控除の適用を居住年以後10年間の適用を受けることができません。

住宅ローン控除の初年度は

住宅ローン控除の初年度の適用を受けるには、確定申告をする必要があります。

住宅ローン控除の2年目以降は

住宅ローン控除の2年目以降に適用を受けるには、年末調整または確定申告により適用を受けることができます。

住宅ローンの借換えをしたとき

借り換え後の住宅ローンが次の要件に該当するときは、引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

  • 借り換えた住宅ローンが当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
  • 借り換えた住宅ローンが返済期間が10年以上であるなど住宅借入金等特別控除の要件に該当すること。

繰上返済により返済期間が10年未満となったとき

繰上返済をしたことにより返済期間が10年未満となったときは、その年分以後のは住宅借入金等特別控除の適用は受けられないこととなります。

令和3年度税制改正大綱|今後の変更予定

令和3年度税制改正大綱により、次の変更が予定されています。

  • 適用期限が2021(令和3)年1月1日~2022(令和4)年12月31日まで延長される
  • 次の期間に契約が締結しているもの
    • 自分の居住用家屋の新築
      2020(令和2)年10月1日~2021(令和3)年9月30日まで
    • 自分の居住用家屋で建築後使用されたことのないもの
      2020(令和2)年12月1日~2021(令和3)年11月30日まで
    • 自分の居住用家屋で中古住宅
      2020(令和2)年12月1日~2021(令和3)年11月30日まで
    • 自分の居住用家屋で増改築
      2020(令和2)年12月1日~2021(令和3)年11月30日まで
  • 床面積等が40㎡以上50㎡未満も適用される ※原則は50㎡以上
    • 40㎡以上50㎡未満のときは、合計所得金額が1千万円を超える年は、住宅借入金等の特別控除が受けられない
  • 認定住宅の新築等の住宅借入金等も上記の同じ扱いになる
  • 東日本大震災の被災者等も上記の同じ扱いになる
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その他の住宅ローン控除

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住宅ローンなしで改修工事したときの税額控除

住宅ローンなしで改修工事したときの税額控除は、おもに次のようなものがあります。

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