IoT投資(コネクテッド・インダストリーズ税制)を5千万円以上したときの30%の特別償却と5%の税額控除(改正/創設/特別償却/税額控除)についてざっくり記載します。
IOT投資(コネクテッド・インダストリーズ税制)を5,000万円以上した時の30%特別償却と5%税額控除
青色申告書を提出する法人(または個人事業者)が、革新的データ産業活用計画の認定を受けて平成30年6月6日(生産性向上特別措置法の施行日)~2021(令和3)2020(令和2)年3月31日間にIOT投資(革新的情報産業活用設備)を5,000万円以上したときは、特別償却(減価償却費の上乗せ)または税額控除ができます。
IOT投資の対象となる法人または個人事業者
IOT投資(革新的情報産業活用設備)の対象となる法人または個人事業者は、次の要件に該当することをいいます。
資本金の規模による制限はありません。
- 青色申告書を提出すること
- 革新的データ産業計画の認定を受けていること
対象となるIOT投資
対象となるIoT投資は次のとおりになります。
ただし、研究開発用資産のものを除かれます。
- 革新的データ産業活用計画に基づいた設備投資であること
- ソフトウェア
- 器具備品
- 機械装置
対象とならないIOT投資
対象とならないものは以下のとおりです。
- 中古設備
- 貸付設備(賃貸資産)
- 次の事業に使う資産
- 試験研究
- ソフトウェア業
- 情報処理サービス業
- インターネット付随サービス業
IOT投資の特別償却を選択したとき
IOT投資(革新的情報産業活用設備)の特別償却を選択したときは、次のとおりとなります。
- 特別償却(減価償却費の上乗せ)
取得価額×30%
中小企業・個人事業者が減価償却資産を購入したときについてざっくり記載します。2023年1月18日 追記減価償却資産を購入したときに確認したい7項目減価償却資産を購入したときに、購入金額、使用できる期間、青色申告などによ[…]
IOT投資の税額控除を選択したとき
IOT投資(革新的情報産業活用設備)の税額控除を選択したときは、次のとおりとなります。
- 「(継続雇用者の当期の国内雇用者給与-継続雇用者の前期の国内雇用者給与)
÷ 継続雇用者の前期の国内雇用者給与 ≧ 3% 」の要件を満たしているとき
※継続雇用者=「前期+当期」のすべての月に給与の支給を受けた人取得価額×5%(法人税額×20%が限度額)
- 上記以外
取得価額×3%(法人税額×15%が限度額)
IOT投資のリース取引について
リース取引については次のとおりとなります。
リースの種類 | 減価償却費の上乗せ (特別償却) | 税額控除 | |
ファイナンス・リース | 所有権 移転 | ◯ | ◯ |
所有権 移転外 | ☓ | ◯ | |
オペレーティング・リース | ☓ | ☓ |
革新的データ産業活用計画について
革新的データ産業活用計画とは、一定のサイバーセキュリティ対策がしてあるデータ連携や利活用に必要となるシステム、センサー、ロボット等の導入などにより短期間で生産性向上を図ることを目的とするもので計画の認定要件はおもに次のとおりです。
- データ連携、利活用の内容は以下のとおりです。
- これまで取得したことがないデータ(センサーデータ等)と社内の既存データを連携すること
- 外部ネットワークを活用して物理的に離れた事業所や工場間のデータを連携すること
- 他社や一般または公共データなどの社外データと社内既存データを連携すること
- 他社との間でネットワークを構築しデータ連携をすること
など
- セキュリティ対策
必要なセキュリティ対策がされていることをセキュリティの専門家
(登録セキュスペ:情報処理安全確保支援士、ITコーディネータ(中小企業のとき)) - 生産性向上の目標
投資年度から投資年度の翌年度から3年間で、次の両方とも達成見込みであること- 労働生産性:年平均伸率≧2%(年平均)
労働生産性=(営業利益+人件費+会計上の減価償却費)÷労働投入量
※労働投入量:労働者数または労働者数×1人当たり年間就業時間 - 投資利益率:年平均≧15%(年平均)
投資利益率=(営業利益+会計上の減価償却費)の3年間の平均増加額÷設備投資額
- 労働生産性:年平均伸率≧2%(年平均)
IOT投資と固定資産税の特例措置とのダブル適用
IOT投資(革新的情報産業活用設備)と固定資産税の特例措置の適用を受けているときでもダブル適用を受けることができます。
中小企業者等が設備投資をしたときに3年間固定資産税の免除~1/2になる(改正/創設/固定資産税の特例)についてざっくり記載します。中小企業等が設備投資したときの固定資産の免除と軽減|改正・創設/中小企業経営強化税制中小企業者等が[…]
その他の特別償却と税額控除
IOT投資を5,000万円以上した時の30%特別償却と5%税額控除以外の特別償却または税額控除は、おもに次のようなものがあります。
- 経営強化設備等を取得時の100%即時の特別償却または10%の税額控除
- テレワーク等設備を購入したときの100%即時償却と10%税額控除
- 地域未来投資促進税制を利用したときの50%特別償却または5%税額控除
- 経営改善設備を取得したときの30%増の特別償却と7%の税額控除
- 投資促進税制の設備を購入時の30%増の特別償却と7%の税額控除
- 地方に本社機能を移転・拡充したときの25%特別償却と7%税額控除
- 地方に本社機能を移転拡充をしたときの雇用促進税制90万円税額控除
- 2018年4月以降に保育施設用設備を取得したときの15%特別償却
- 2017年4月以降の給与の増加と設備投資したときの25%税額控除
上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。
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