特定口座の上場株式等を売却したときの確定申告ついてざっくり記載します。
特定口座制度の上場株式等
証券会社等に特定口座を開設し、特定口座内の上場株式等を売却したときは、特定口座内の上場株式等の譲渡所得等の計算は「簡易申告口座」または「源泉徴収口座」の選んだ方法により証券会社等が行います。
簡易申告口座を選んだときの確定申告
簡易申告口座を選んだときは、特定口座内の上場株式等の売却等は、証券会社等から送付される特定口座年間取引報告書により確定申告をします。
源泉徴収選択口座を選んだときの確定申告
源泉徴収選択口座を選んだときは、特定口座内の上場株式等の売却等は、源泉徴収されるため確定申告をする必要はありません。
また、申告しないときは、譲渡益または譲渡損は合計所得金額に含まれないことになります。
ただし、次のときは確定申告をする必要があります。
- 他の口座の上場株式等の譲渡益または譲渡損と損益通算(相殺)するとき
- 他の口座の上場株式等の配当所得等と源泉徴収口座の上場株式等の譲渡損を損益通算(相殺)するとき
- 上場株式等の譲渡損を翌年以後に繰り越す特例の適用を受けるとき
申告するかしないかの選択は、源泉徴収選択口座ごとに選択することができます。
上場株式等を譲渡したときについてざっくり記載します。上場株式等を譲渡したとき上場株式等を譲渡したときは、他の所得(給与所得など)と区分する申告分離課税として税金を計算します。上場株式等を譲渡所得|税金計算上場株式等を[…]
源泉徴収口座を選択したときの上場株式等の売却にかかる税率
源泉徴収口座を選択したときは、上場株式等の譲渡益に対して次の税率が課税されます。
- 所得税 15%
- 復興特別所得税 0.315%(所得税×2.1%)
- 地方税 5%
- ①+②+③=20.315%
源泉徴収選択口座で上場株式等の配当等を受け取ったとき
源泉徴収選択口座の上場株式等の配当等は、源泉徴収口座で受け取ることを選択することができます。
源泉徴収選択口座で配当等を受け取ることを選んだときは、源泉徴収口座で上場株式等の配当所得等から上場株式等の譲渡損の金額を控除され、控除後の金額に源泉徴収口座の税率が適用されます。
また、申告しないときは、譲渡益または譲渡損は合計所得金額に含まれないことになります。
申告するかしないかの選択は、源泉徴収選択口座ごとに選択することができます。
上場株式等について源泉徴収口座を選択するとき
特定口座について源泉徴収選択口座を選ぶときは、その年の最初の売却をする前までに証券会社等に届け出をする必要があります。
確定申告するときの注意事項
源泉徴収選択口座の上場株式等の譲渡等の金額を確定申告するときは、次のことに注意する必要があります。
- 源泉徴収選択口座の上場株式等の譲渡所得等の譲渡益と同じ源泉徴収選択口座の上場株式等の配当所得等の金額のどちらかのみを申告することができる。
- 源泉徴収選択口座の上場株式等の譲渡所得等の譲渡損を申告して、他の上場株式等の譲渡益や申告分離を選択した上場株式等の配当等と損益通算するときは、同じ源泉徴収選択口座の上場株式等の配当所得等の金額は、確定申告不要は選択できない
- 源泉徴収選択口座の上場株式等の譲渡所得等または配当等を含んで確定申告した後に、「申告に含めない(申告不要)」に変更することはできません。
- 源泉徴収選択口座の上場株式等の譲渡所得等または配当等を確定に含めない(申告不要)を選んで申告した後に、「申告に含める」に変更することはできません。
令和2年度以降に確定申告するときの注意事項
2020(令和2)年以降、確定申告を選んだときに、合計所得金額が2,400万円を超えるときは所得税の基礎控除が減額されることになります。
所得税の基礎控除についてざっくり記載します。所得税の基礎控除所得の多い少ないに限らず、一律に適用され一定の金額を所得控除することができます。所得控除とは?所得控除とは、所得税を計算するときに利益から控除できる経費みた[…]
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