長期所有の低未利用土地等を売却したときの100万円控除

長期所有の低未利用土地等を売却したときの100万円控除
この記事を読んでわかること

2019年12月令和2年税制改正大綱が公表された「長期所有の低未利用土地等を売却したときの100万円控除」をざっくり理解できる。

通常、税制改正大綱は3月の国会で承認され、4月以降に施行予定

令和5年度税制改正大綱を理解できる

目次

長期所有の低未利用土地等を売却したときの100万円控除

個人が所有する低未利用土地(借地権など含む)を、一定の期間内で売却したときは、その低未利用土地の売却の利益(譲渡所得)から最大100万円を控除することができる。

低未利用土地の売却の利益(譲渡所得)=売却金額-取得費-経費-100万円控除(最大)

対象となる土地

対象となる土地とは、次の要件に当てはまる土地になります。

  • 「都市計画区域内にある低未利用土地」であることを市区町村の長の確認を受けている
  • 取得日から売却年1月1日の期間が5年を超える
  • 売却金額が500万円以下
  • 「売却後、低未利用土地等の利用」について市区町村の長の確認を受けている
  • 低未利用土地等の適用を受ける土地と一筆だった土地から前年または前々年に分筆された土地(借地権など)が、この特例の適用を受けていない
  • 売った土地等が収用等の特別控除、事業用資産の買換えの課税の繰延べなどの譲渡所得の課税の特例を受けていない

低未利用地とは

国土交通省のHPによると、

「低・未利用地」

適正な利用が図られるべき土地であるにもかかわらず、長期間に渡り利用されていない「未利用地」と、周辺地域の利用状況に比べて利用の程度(利用頻度、整備水準、管理状況など)が低い「低利用地」の総称

「未利用地」の具体例

空き地、空き家、空き店舗、工場跡地のほか、耕作放棄地、管理を放棄された森林などが挙げられ、「低利用地」は、暫定的(一時的)に利用されている資材置場や青空駐車場などが挙げられる

この未利用地が100万円控除の対象となる低未利用地とはハッキリしていない

対象とならない取引

対象とならない取引は、次のとおりです。

  • 買い手が、次のどちらにも該当しない
    • 売り主の配偶者
    • 売り主と一定の特別の関係がある者など
  • その土地の上にある建物等を含めた一定の売却金額が500万円超える取引

適用期間

長期所有の低未利用土地等を売却したときの100万円控除の適用期間は、次のとおりになります。

  • 次のどちらか遅い日~令和4年12月31日までの期間
    • 土地基本法等の一部を改正する法律(仮称)の施行日
    • 令和2年7月1日

令和5年度 税制改正大綱

令和5年度税制大綱で、令和5年1月1日以後に行う低未利用土地等の譲渡に次の変更が予定されている。

  • 適用期間が3年延長され「令和7年12月31日まで」
  • 適用対象となる低未利用土地等の「譲渡の利用要件の用途からコインパーキングが除外」
  • 次に掲げる区域内にある低未利用土地等を譲渡する場合における低未利用土地等の譲渡対価に係る要件を「800万円以下」
    • 市街化区域又は区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域(用途地域が定められている区域に限る。)
    • 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域

上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。

具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

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