60歳未満の父母等から住宅取得資金の贈与された時の相続時精算課税

60歳未満の父母等から住宅取得資金の贈与をされたときの相続時精算課税の特例についてざっくり説明したいとおもいます。

相続時精算課税の特例

2021年12月31日までに、直系尊属である父母などからの金銭を贈与され、日本国内に贈与された人が居住用家とその敷地(新築に先行取得される土地等も含む。)を購入し、一定の要件を満たすときは、贈与した人がその贈与年の1月1日に60歳未満でも相続時精算課税を選択することができます。

※不動産の贈与を受けた場合は対象にはなりません。
※住宅ローンを返済するための金銭の贈与は対象にはなりません。 
※相続時精算課税の原則の場合は、贈与者は贈与年の1月1日において60歳以上が要件となります。
※相続時精算課税の原則の場合は、国外財産も適用を受けることができます。

相続時精算課税の特例の対象となる貰った人(=受贈者)

下記の全てに該当する必要があります。

  • 贈与を受けた時に贈与した人の直系卑属(=子、孫などで、養子も含む。)である推定相続人、または、孫であること。
    ※推定相続人:仮に、その時点に贈与者が亡くなったら相続人となる人
    ※受贈者の配偶者の父母、祖父母は、養子縁組をしていない限り、
    傍系(ぼうけい)尊属であるため、直系尊属には該当しません。
  • 贈与時に日本国内に住所を有していること。
    ※納税義務者区分の改正により、平成29年4月1日以後に住宅取得等資金の贈与を受けた場合で、
    以下のいずれにも該当する場合は日本国内に住所を有していることから除かれます。
    • 受贈者が一時居住者である。
    • 贈与者が一時居住者又は非居住贈与者である。
  • 贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた資金の全額を使い住宅用家屋の取得をすること。
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、
    または、同日以後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること。
    ※贈与を受けた年の翌年12月31日までに、その家屋に居住しないときは、
    この特例の適用を受けることができません。
    同日から2か月経過日までに修正申告をし増加した税額を納付することになります。
  • 受贈者の配偶者、親族などの一定の特別な関係者からの取得、請負契約等により
    新築、増改築等をしたものではないこと。
  • 直系尊属から贈与を受けた住宅取得資金の贈与税の非課税は、受贈者の要件には上記の他に、
    「贈与を受けた年分の所得税の合計所得金額が2千万円以下であること。」

相続時精算課税の特例の対象となる新築または取得の家屋等

相続時精算課税の特例の対象となる新築または取得した家は、つぎの条件を満たす必要があります。

  1. 新築または取得のとき
    家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合は専有部分の床面積)が50㎡以上、かつ、その床面積の1/2以上が受贈者の居住用であること。

    ※直系尊属から贈与を受けた住宅取得資金の贈与税の非課税の場合は、
    床面積の上限(240㎡未満)があります。

  2. 取得のときは以下のどれかに該当すること。
    • 建築後使用されたことがないこと
    • 建築後使用されたことがあるとき
      • (イ)耐火建築物の場合 取得日以前25年以内に建築されたもの
      • (ロ)耐火建築物以外の場合 取得日以前20年以内に建築されたもの
      • (ハ)耐震基準に適合するもとして証明されたもの
        ※「耐震基準適合証明書」又は「建設住宅性能評価書の写し」など
      • (ニ)上記(ロ)(ハ)に該当しない場合で耐震改修を行うことにつき申請等をし、
        かつ、贈与を受けた翌年3月15日までに耐震基準に適合することとなったことにつき証明されたもの

相続時精算課税の特例の対象となる増改築等したときの家屋等

相続時精算課税の特例の対象となる増改築等したときの家は、つぎの条件を満たしている必要があります。

  • 家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合は専有部分の床面積)が50㎡以上、かつ、その床面積の1/2以上が受贈者の居住用であること
    ※直系尊属から贈与を受けた住宅取得資金の贈与税の非課税の場合は、
    床面積の上限(240㎡未満)があります。
  • 増改築等の工事が自己の所有、かつ、居住用家屋に行われたものであり、
    一定の工事に該当することが証明されたものであること。
    ※「確認済証の写し」、「検査済証の写し」、「増改築等工事証明書」など
  • 増改築等の工事費用が100万円以上であること。

相続時精算課税の特例の適用を受けるためには

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書に相続時精算課税選択の特例の適用を受ける旨を記載し申告する必要があります。

また、一度、選択すると撤回することができません。

住宅取得等資金の贈与税の非課税と相続時精算課税の特例の併用

父母等の直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金の贈与税の非課税と併用することができます。

併用するときは、先に住宅取得等資金の非課税限度額を控除し、
その残額に相続時精算課税制度の特別控除(上限2,500万円)を控除することになります。

相続時精算課税の特例の適用を受けた年分以後の贈与

相続時精算課税の特例の適用を受けた年分以後は、その贈与者からの贈与により取得した財産は、住宅取得等資金に限らず、相続時精算課税の原則により課税されることとなります。

贈与した人が亡くなったときの相続税と相続時精算課税の特例の関係

住宅取得等資金を贈与者が亡くなった場合において、相続時精算課税の特例を受けた金額は、相続税の課税価格に加算されます。

※直系尊属から贈与を受けた住宅取得資金の贈与税の非課税の場合は、相続税の課税価格に加算されません。

住宅ローン控除と相続時精算課税の特例の関係

相続時精算課税の特例の適用を受ける者が、所得税の住宅ローン控除を受けるときは、
下記の①が②を超える部分の金額は、住宅ローン控除の適用が受けられません。

  1. 住宅借入金等の金額
  2. 住宅用家屋の対価等-住宅取得等資金の非課税

上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。

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