仮想通貨の税金で知っていおきたいことについてざっくり説明します。
仮想通貨の税金で知っておきたいまとめ12項目
仮想通貨は、物品の購入等に使用できるものですが、この仮想通貨を使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となり、確定申告をする必要があります。
この仮想通貨を使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、原則として、雑所得に区分されます。
※事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じるときは、事業所得となります。
仮想通貨の使用に該当する行為
以下の行為が「使用」に該当します。
- 仮想通貨を日本円等に換金(売却)したとき
- 仮想通貨で商品を購入したとき
- 仮想通貨と別の仮想通貨の交換をしたとき
- マイニング(採掘)し、その報酬として仮想通貨を取得したとき
仮想通貨の分裂/分岐
仮想通貨の分裂により新たに仮想通貨を取得したとき、分裂したときの取引相場がなく、
分裂したときに価値がなかったと考えます。
その分裂時の取得では所得は生じないこととなり、取得価額は0円となります。
ただし、
その分裂時に新たに取得した仮想通貨を使用したときに所得が生じることとなります。
2018(平成30)年分までに仮想通貨を売却したときの譲渡原価の計算方法
同じ種類の仮想通貨を2回以上取得したときの仮想通貨の取得価額は、原則、移動平均法(取得の都度、平均単価を計算する方法)により計算します。
ただし、
継続適用を要件として総平均法(1年間の取得総額÷1年間の取得総数)を用いることもできます。
2019年分以後に仮想通貨を売却したときの譲渡原価の計算方法
同じ種類の仮想通貨を2回以上取得したときの仮想通貨の取得価額は、移動平均法または総平均法のうち、その人が選択した方法になります。
ただし、
評価方法を選ばなかった場合または選択した評価方法により評価しなかったときは、総平均法により評価した金額とされます。
仮想通貨の取得価額
仮想通貨の取得価額は次のようになります。
- 購入したとき
購入代価+購入手数料 - 上記以外
取得のために通常要する価額 - 贈与により取得したとき
あげた人(贈与者)の取得価額を引き継ぐ - 相続により取得したとき
亡くなった人の取得価額を引き継ぐ
仮想通貨を取引したときの年間取引報告書
国内の仮想通貨交換業者を仲介して仮想通貨取引をしたときは、損益合計などを記載した年間取引報告書が送付されます。
仮想通貨の売却。購入が外貨で行われていたときの年間取報告書の各項目は取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円換算そた金額とされます。
仮想通貨の課税されるタイミング
- 日本円に換金したとき:換金時
- 商品を購入したとき:購入時
- 別の仮想通貨のトレードをしたとき:トレード時
- マイニング(採掘)し、報酬として仮想通貨を取得したとき:マイニング時
仮想通貨の所得区分の基本は、雑所得
所得税法では、所得の性格によって10種類に分類されています。
その10種類とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得となっており、雑所得は「他の所得区分に該当しないもの」とされています。
主な雑所得に分類されるものとして公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当し、ビットコインの利益も原則、雑所得に分類されることになりました。
仮想通貨の雑所得の税金計算
ビットコイン同士の損益、また、同じ総合課税の雑所得内で内部通算ができます。
※ビットコインの損失は翌年度等に繰り越しはできません。
※先物取引に係る雑所得等の金額(例えば、「FX」)は申告分離課税のため、ビットコインの利益とは損益通算できません。
FXなど一定の先物取引の差金等決済をしたときの確定申告ついてざっくり記載します。先物取引の差金等決済をしたとき|申告分離課税日本に住んでいる居住者または日本国内に恒久的施設(事業活動の拠点となるホテルなど)がある非居住者は、FX[…]
参考)
総合課税の雑所得は、以下の所得と合算され一定の方法により合計した総所得金額から、
所得控除の合計額を控除し、その残額(=課税される所得金額)に税率(5%~45%の7段階に区分)を乗じて税額を計算します。
- 利子所得(源泉分離課税などを除く。)
- 配当所得
(源泉分離課税および申告不要または申告分離を選択したものなどを除く。) - 不動産所得
- 事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く。)
- 給与所得
- 譲渡所得(土地・建物等および株式等の譲渡によるものを除く。)
- 一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)
平成29年6月までの仮想通貨の消費税の取引区分
- 平成29年6月までのビットコイン(仮想通貨)の売買について国内で行われるビットコインの売買は、消費税が課税取引とされていました。
ただし、
以下の①②のいずれにも該当する場合は①の増加分に係る消費税額を
仕入税額控除の対象外とする経過措置があります。- 平成29年6月中の平均保有数量に比べて、平成29年6月30日時点の保有量が増加している。
- 平成29年6月30日において、税抜き100万円以上の仮想通貨を所有している。
平成29年7月までの仮想通貨の消費税の取引区分
- 平成29年7月以降のビットコイン(仮想通貨)の売買について国内で行われるビットコインの売買は、消費税が非課税とされ、課税売上割合の計算上には含めないこととなりました。
上記の内容は、ブログ記載時点のものとなります。
具体的な事案は各専門家へご相談されることをお勧め致します。
掲載の文章等の無断使用、無断転載を禁じます。
全ての著作権は税理士佐藤智明に帰属します。